クールな御曹司との契約結婚は、初夜から愛と熱情に満ち溢れていました
 怒鳴っているのはわかるけれど、言葉を聞き取れない。英語ではないようだから、ヨーロッパのどこかの言語だろうか?

 安藤たちが両手を挙げ、頭の後ろで組んだのを見て、私も真似をするべきかと一瞬悩む。

 おそらく銃を持った制服姿の彼らは、『手を挙げろ!』とでも言っているのだろう。

 彼らが何者かはわからないものの、安藤たちが無力化されているなら私の敵ではないかもしれない。

 とはいえ棒立ちになっているのも不安で、私もぎくしゃくと彼らの仕草を真似した。

 あっという間に取り囲まれて身動きが取れなくなり、なんらかの言葉をかけられるも、自分がなにを言われているかはやはり理解できない。

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