クールな御曹司との契約結婚は、初夜から愛と熱情に満ち溢れていました

 彼らがこそこそと怪しげな話をしているところに居さえしなければ、利用されるにしても人質ではなく、別のやり方だったんじゃないだろうか。

 大規模なイベントが行われ、邪魔する人がいなくなったのをいい事に作戦会議していた二人は、よりによって私が迷い込んでくるとは思わなかっただろう。

「先にあの人たちの仲間を捕まえられたのは、やっぱりこれのおかげ?」

 軽く左腕を上げ、手首を飾るブレスレットを揺らす。

「そうだ。ちょうどあの島の付近にいた沿岸警備隊がすぐに向かってくれた」

「もっと早くブレスレットの事を思い出していたら、電話で居場所を伝えようとしなかったんだけどね……」

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