クールな御曹司との契約結婚は、初夜から愛と熱情に満ち溢れていました
「いや、あれがなければ警備隊も島の周辺までは行かなかった。おおよその当たりをつけて情報を待っている時に、GPSで君の位置情報が届いたんだ」

 だったら突き飛ばされ損というわけにはならなそうだ。

 よかったのか悪かったのか。まあ、今こうして透哉さんといられるのだから、よかったのは間違いない。

「あっ、そうだ。お金は? かなりの額を振り込んだんじゃないの?」

 愛されているんだな、と鼻で笑った安藤を思い出してむかむかするも、今は脇に置いておく。

「大丈夫だ。手元に戻ってきた。乗客の盗難品も──主にカードの類だったようだが、これも持ち主のもとへ返されたと聞いている」

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