クールな御曹司との契約結婚は、初夜から愛と熱情に満ち溢れていました
 ずっと伝えられずにいた想いを、今こそ彼に伝えよう──。

 透哉さんが軽く目を見開いてから、はっとしたように私の口を手で塞いだ。

「んんん!?」

「その先は俺から言うべきだろう」

 そう言うと、彼はそっと私の唇を解放してから深呼吸した。

 少し強張った表情と、微かに赤く色づいた頬。どう切り出すか決めかねているのか、薄く開いた唇からはなかなか言葉が紡がれない。

 透哉さんも緊張する事があるんだ。

 驚きは期待に変わって、私の胸を甘く高鳴らせる。

 やがて透哉さんは決心したように背筋を正し、私の両手を大きな手でぎゅっと包み込んだ。

「好きだ」

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