クールな御曹司との契約結婚は、初夜から愛と熱情に満ち溢れていました
「離婚するのに好きになってどうしよう……って思ってたんだよ」

「どうするつもりだったのか、聞かせてもらっても?」

 指を絡めた透哉さんのまっすぐな疑問に、気恥ずかしさが込み上げた。

「私を好きになってもらおうかなーって」

「……なんだって?」

 透哉さんの顔には、はっきりと驚きが浮かんでいる。

「友達がね、結婚生活が一年で終わらないように好きって伝えろって言ったの。でも透哉さんの気持ちが私にないのに、好きって言うのはちょっと勇気が出ないでしょ? だから、ええと、その……。どうしたら私に惹かれてくれるんだろうって、ずっと考えてた」

< 225 / 250 >

この作品をシェア

pagetop