クールな御曹司との契約結婚は、初夜から愛と熱情に満ち溢れていました
 なんて恥ずかしい告白をさせられているんだろう! 

 今、間違いなく私の顔は真っ赤になっている。だって、頬が熱すぎて眩暈までしてきた。

「これ以上だめ。恥ずかしい……」

 手で顔を覆い、透哉さんに見られまいとする。

「私、ちゃんと恋愛をした経験がないの。だからどうしたらいいかわからなかった。自分を好きじゃないかもしれない人に、好きって言う勇気が出なかったの……」

 顔を隠しながら早口で続けると、ブレスレットをした手首に透哉さんの手が触れた。

 やんわりと手をどけられ、きっと赤くなっている顔を半分暴かれる。

「俺と同じだ」

「え……?」

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