クールな御曹司との契約結婚は、初夜から愛と熱情に満ち溢れていました
「俺も恋愛らしい恋愛とは縁がなかったから、臆病になっていた。君に嫌われたらと思うと、どうしてもたったひと言好きだと伝えられなくて」

 透哉さんも私と同じだなんて、どう考えても話を合わせてくれているだけに決まっている。でも、彼の目を見たらそんなふうには思えなかった。

 切なさと一緒に焦がれるような熱をはらんだ瞳が、私だけを捉えて揺れる。

 ああ、やっぱり私って馬鹿だったのかも。

 透哉さんが私をそんな愛おしい目で見るのは、今回が初めてじゃない。

 彼はいつだってベッドの上にいる時、眼差しで私への想いを伝えていたのだ。

「透哉さんは恋愛慣れしてるんだと思ってた……」

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