クールな御曹司との契約結婚は、初夜から愛と熱情に満ち溢れていました
「そうか? 君への対応を誤っていなかったなら、俺としてはうれしい話だが」

「だって全然痛くなかったし、優しくしてくれたよ」

 透哉さんの瞳に込められた想いの意味に気付き、なにげなく口にしてから、あっと声を上げる。

 ベッドの上での彼を思い出したせいで、うっかりその時の感想を伝えてしまった。

「ちがっ、今のは……!」

「ほかにはどうされてうれしかったんだ?」

 私が言い間違えたとわかっているだろうに、顔を覗き込んで尋ねてくる。

 表情の少ない淡泊な人だと思っていたはずが、今の透哉さんはとても楽しそうで、ちょっとだけ意地悪な顔をしていた。

「うれしかったとは言ってないです……」

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