クールな御曹司との契約結婚は、初夜から愛と熱情に満ち溢れていました
 うっかり見とれてしまったのは、きっと彼があまりにも完成された美しい男性だからだ。

 一見してハーフかと思うくらいくっきりした顔立ちは、こうして私と座っている間も周囲からの視線を集めている。

 品を感じさせると同時に、強烈なほど男性的な魅力もある。背が百九十と日本人にしてはかなり長身だからだろうか?

 それとも骨ばった手が大きいから? 顎から喉にかけてのラインに、思わず息を呑むほどの色気があるから? あるいは心地よく響く低い声のせいだろうか。

 自然と鼓動が速くなるのを感じていると、ことりと音がした。

 氷室社長がグラスをコースターの上に置いた音だ。次いで、からんと氷が揺れる。

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