クールな御曹司との契約結婚は、初夜から愛と熱情に満ち溢れていました
 あれから二か月が経った今でも、電話やメッセージで『恐ろしい出来事がフラッシュバックしていないか』などと聞いてくる。

 もし本当に私がフラッシュバックで苦しんでいたら、話題に出すほうが精神衛生上よくないと思う。でも両親が心配する気持ちもわかるから、言わないでいる。

「七海はそう言うけど、どうしても心配になるのよ。……うちの子は住む世界が違う人のところにお嫁入りしたんじゃないかって」

 それを聞いた義母がなにか言おうと口を開きかけるも、先に透哉さんが話し始めた。

「七海さんは私が生涯をかけて守ります。二度とあんな事には巻き込ませません」

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