クールな御曹司との契約結婚は、初夜から愛と熱情に満ち溢れていました
 考える時間が欲しいと言いたかったのに、この場で答えなければいけない雰囲気になる。場を支配する、とはこういう事かもしれない。

 彼の言う通り、今から副業を探して働き始めるよりは、契約結婚を受け入れたほうがいいのだろう。

 ネックになるのはやはり結婚という部分だけど、正直なところ、悪くはない提案に思える。

 私は一人っ子として、ずっと両親を気遣って生きてきた。

 月に一度は必ず実家に戻って一泊し、連休には母と一緒に旅行したり、親子の時間をたっぷりと過ごした。

 別に頼まれたからではなく、したくてそうしていたのだ。私にとって両親は親であり、友達のような存在でもあったから。

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