激情を秘めたエリート外交官は、最愛妻を啼かせたい～契約結婚なのに溺愛で満たされました～

「おっと、すみません。瀬名さんの奥さんに会えたのがうれしくて浮かれてました。時差もあるし疲れてますよね」
「今日はゆっくり休んで、日を改めて来てみたいと思います」
「ぜひそうしてください」

　浜辺さんは微笑み前を向く。

「じゃあ、日本大使館の前を通ってから自宅のアパートメントへ向かいましょっか」

　亮一さんが働く日本大使館を一度見てみたかったから、わざわざ前を通ってもらえるのはうれしい。

　浜辺さんの気づかいに「ありがとうございます」とお礼を言う。

「この辺は各国の大使館が集まってるんですよ。日本大使館の周囲には、インドや韓国の大使館が並んでます」

　様々な国の大使館が建つ中で、日本大使館はひと際立派に見えた。入り口の上には金色の菊花紋章が輝いている。

　亮一さんはいつもここで働いているんだ……。かっこいいなぁとため息を漏らす。

「これから日菜子さんはレセプションパーティーなんかで招待されるでしょうけど、大使公邸に行ったらさらに豪華で驚きますよ」

　大使公邸というのはその名の通り、在アメリカ日本大使が住むために用意された建物だ。

「そんなに豪華なんですか？」