激情を秘めたエリート外交官は、最愛妻を啼かせたい～契約結婚なのに溺愛で満たされました～

　そういえば、彼女の名前を経済誌で見た覚えがある。
　世界で最も影響力のある女性ランキングに名前をあげられていた。

　オーラがある素敵な人だなと思っていたけれど、ここまですごい人だったなんて。

「彼女はあまり表舞台には出ないんだ。こうやって政治がからむパーティーに顔を出すことはほぼない。けれど彼女とパイプができれば経済界との駆け引きで優位に動けることになる」

　亮一さんが今取り組んでいる、通商交渉のための下準備もかなりやりやすくなるんだろう。

「亮一さんはミシェルさんと知り合うために、私をチャリティイベントに誘ったんですか？」
「まさか。本当に偶然だよ。あの場に彼女が来ていることも知らなかった」
「本当に？」

　用意周到で策士な亮一さんだから、こうなると予想していたのでは。なんて疑ってしまう。

「彼女とのつながりを持てたのは日菜子のおかげだ。君はとても魅力的で人の心を掴むのがうまいから」

　優しくささやかれ、心臓が高鳴った。
　一瞬息をのみ深呼吸をする。

「亮一さんって本当に口がうまいですよね。どんな女性でも簡単に口説き落としちゃいそう」