激情を秘めたエリート外交官は、最愛妻を啼かせたい~契約結婚なのに溺愛で満たされました~
「私は今、上院議員の補佐官をしているの。つながりたい議員がいるなら、話を通してあげるわよ」

 彼女は亮一さんの肩に両腕を置いたまま話を続ける。
 ふたりの親密さを見せつけられ、胸がさわいだ。

「ありがたいが、今のところ大丈夫だ」
「遠慮しなくていいのに。あなたと私の仲なんだから」

 亮一さんは自分の肩から彼女の腕を下ろし、私の隣に立つ。

「紹介するよ。妻の日菜子だ。日菜子、こちらは浅田怜奈。大学時代の友人だ」

 日本最高学府と言われる大学出身で、しかも今はアメリカで議員補佐官をしているなんて、とても優秀な女性なんだろう

「怜奈さん、はじめまして。日菜子と申します」
「亮一、あなた女の趣味変わったんじゃない?」

 頭を下げた瞬間そう言われ、冷や水を浴びせられたような気分になった。

「君に俺の女性の好みを教えた覚えはないが?」
「教えられなくったってわかるわよ」

 ふふんと得意げに笑う怜奈さんに、亮一さんが大きくため息をついた。

「お前なぁ……」と乱暴な口調で言う。

 私の前ではいつも紳士的で優しいのに、彼女にはあんな顔を見せるんだ。

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