激情を秘めたエリート外交官は、最愛妻を啼かせたい~契約結婚なのに溺愛で満たされました~
 そのことに驚きショックを受ける。

「久しぶりに会えたんだし話しましょう。ふたりで」
「特に話すことはないが?」
「相変わらずクールね。それとも照れているの?」

 怜奈さんはくすくす笑いながら亮一さんの腕に抱き着きこちらを振り返った。

「日菜子さん、ちょっと亮一を借りるわね」

 いやだと思った。
 彼女とふたりきりにならないでほしい。

 けれどそんなわがままを言えるわけがない。
 わきあがる独占欲を必死に抑え、「はい、どうぞ」と微笑む。

 怜奈さんは亮一さんの腕を引いて歩いて行った。

 その様子を見送っていると、いつのまにか隣に浜辺さんがいた。

「なんだか、ものすごく絵になるふたりですね」

 亮一さんと怜奈さんを見ながら感想を漏らす。

「本当ですね」
「あ、日菜子さんとじゃ絵にならないって意味じゃないですよ? あっちは対等に言い合うケンカップルで、日菜子さんは大切に溺愛されるお姫様って感じで……」

 慌ててフォローしてくれる浜辺さんに、苦笑しながら「ありがとうございます」とお礼を言う。

「それにしても、議員補佐官ってすごいなぁ」
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