激情を秘めたエリート外交官は、最愛妻を啼かせたい~契約結婚なのに溺愛で満たされました~
「それにしても、瀬名さん遅いですね。ちょっと様子を見に行きましょうか」
「え、でも」
浜辺さんの提案に戸惑う。
ふたりの時間を邪魔していいのだろうか。
「日菜子さんは奥さんなんだから、遠慮しなくていいですよ」
そう言って歩き出した彼を追いかけ、にぎわうバンケットルームを出て廊下を進む。
「このへんの控室にいるんじゃないかなぁ」
浜辺さんがあたりを見回す。
彼の予想どおり、奥の個室から亮一さんと怜奈さんの声が聞こえてきた。
「――離してくれ。俺は結婚しているんだ」
「どうせ仕事のために結婚して、ろくな夫婦生活を送ってないんでしょう? 欲求不満って顔をしてるわよ」
「だとしても、お前には関係ない」
苛立ちを隠さず低い声で返す。
まるで私の知らない人みたいな、乱暴な口調だった。
「そんなに外交官って立場が大事? 好きでもない相手と結婚するほど」
「なにを……」
いつも冷静な彼がこんなふうに言葉を詰まらせるなんて。
図星をつかれ感情を揺さぶられたんだろう。
「知っているのよ。亮一にはずっと想ってる人がいるって。……それ、私なんでしょう?」
「え、でも」
浜辺さんの提案に戸惑う。
ふたりの時間を邪魔していいのだろうか。
「日菜子さんは奥さんなんだから、遠慮しなくていいですよ」
そう言って歩き出した彼を追いかけ、にぎわうバンケットルームを出て廊下を進む。
「このへんの控室にいるんじゃないかなぁ」
浜辺さんがあたりを見回す。
彼の予想どおり、奥の個室から亮一さんと怜奈さんの声が聞こえてきた。
「――離してくれ。俺は結婚しているんだ」
「どうせ仕事のために結婚して、ろくな夫婦生活を送ってないんでしょう? 欲求不満って顔をしてるわよ」
「だとしても、お前には関係ない」
苛立ちを隠さず低い声で返す。
まるで私の知らない人みたいな、乱暴な口調だった。
「そんなに外交官って立場が大事? 好きでもない相手と結婚するほど」
「なにを……」
いつも冷静な彼がこんなふうに言葉を詰まらせるなんて。
図星をつかれ感情を揺さぶられたんだろう。
「知っているのよ。亮一にはずっと想ってる人がいるって。……それ、私なんでしょう?」