激情を秘めたエリート外交官は、最愛妻を啼かせたい~契約結婚なのに溺愛で満たされました~
 そのまま優しく先端をなでられて甘い声が漏れる。

 身をよじって逃げようとすると、彼が耳もとで「いやか?」とささやいた。

 色気全開の彼の低い声に、体の奥が熱くなる。

「い、いやじゃないんですけど……っ」
「じゃあやめない」

 そう宣言すると、彼は私の耳たぶを甘噛みする。
 服の中の手は感触を楽しむように私の胸をもみしだく。

「あん……っ、だめ……。本当にだめです……!」

 気持ちいいけど、このまま流されて抱かれるわけにはいかない。

 私は必死に理性を奮い立たせて亮一さんの胸を押した。

「どうして?」
「赤ちゃんが……」
「赤ちゃん?」

 亮一さんが手を止める。

 私は顔を真っ赤にしながらうなずいて口を開いた。

「その、妊娠してるんです。亮一さんの赤ちゃんを」

 私の言葉を聞いて、彼の目が大きく開かれた。

「本当に?」と確認するように私の瞳をのぞきこむ。

「ほ、本当です。まだ病院には行ってないんですけど、昨日検査薬で調べたら陽性で……」

 彼はどんな反応をするだろうか。
 不安になりながら話していると、亮一さんは私を見つめ「信じられない」とつぶやいた。

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