激情を秘めたエリート外交官は、最愛妻を啼かせたい~契約結婚なのに溺愛で満たされました~
 私を盾にして背後に隠れる浜辺さんに驚いていると、亮一さんがこちらに手を伸ばした。

 私の腰を捕らえ、奪い返すように自分のもとへ引き寄せる。

「きゃ……」

 驚いて瞬きをしたときには、すでに亮一さんの腕の中にいた。

「日菜子に触るな」

 亮一さんはそう言って浜辺さんを睨む。

「触るなって。ちょっと肩に手を置いただけですよ?」
「それでも、ほかの男が無断で妻に触れるのは許せない」
「りょ、亮一さん……」

 独占欲を隠そうともしない彼に、頬が熱くなる。

 今のやりとりを見ていたんだろう。
 少し離れた場所にいる女性社員たちから黄色い声が聞こえてきた。

「日菜子さんに対してこんなに激甘なら、生まれてくる子どもに対しても超過保護になりそうですね」

 私を抱きしめる亮一さんを見て、浜辺さんがおもしろがるように笑う。

「日菜子さん、赤ちゃんの性別ってわかってるんですか?」
「女の子みたいです」

 私が答えると、浜辺さんが「うわぁ……」と声をあげた。

「女の子なんですね。将来、娘ちゃんが家に彼氏を連れてきたら、瀬名さん大激怒しそう」
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