激情を秘めたエリート外交官は、最愛妻を啼かせたい~契約結婚なのに溺愛で満たされました~
野菜たっぷりのプレートランチを選びトレイを持って席に着く。
すぐに聡美が身を乗り出し、本題を切り出してきた。
「日菜子、どういうこと? 朝から野口さんが得意げに自慢してたわよ。『私ぃ、康介さんと付き合うことになったんですぅ』って」
聡美は野口さんの語尾が上がるかわいらしい口調を真似しながら言う。
「そっか。あのふたり、付き合うことにしたんだ」
「いや、なに納得してるのよ。あいつ、日菜子から男を奪ったって言いふらしてるのよ? ちゃんと怒りなよ!」
私の代わりに怒ってくれる優しい友人に「ありがとう」とお礼を言う。
「でも、もういいの。康介とは別れたから」
「本当にそれでいいの? 結婚の約束をしてたんでしょう? 訴えてお金をぶんどってやればいいのに」
「本当に、もう大丈夫だから。仕事もね、契約は更新せずに辞めることにした」
「なにそれ。文句も言わず身を引くの? お人よしすぎるよ」
「身を引くっていうより、もう康介には好意はないしこのまま働き続けるのは気まずいから、自分が一番楽な選択をしただけだよ」
こんなふうに冷静に話せるのは、亮一さんのおかげだ。
すぐに聡美が身を乗り出し、本題を切り出してきた。
「日菜子、どういうこと? 朝から野口さんが得意げに自慢してたわよ。『私ぃ、康介さんと付き合うことになったんですぅ』って」
聡美は野口さんの語尾が上がるかわいらしい口調を真似しながら言う。
「そっか。あのふたり、付き合うことにしたんだ」
「いや、なに納得してるのよ。あいつ、日菜子から男を奪ったって言いふらしてるのよ? ちゃんと怒りなよ!」
私の代わりに怒ってくれる優しい友人に「ありがとう」とお礼を言う。
「でも、もういいの。康介とは別れたから」
「本当にそれでいいの? 結婚の約束をしてたんでしょう? 訴えてお金をぶんどってやればいいのに」
「本当に、もう大丈夫だから。仕事もね、契約は更新せずに辞めることにした」
「なにそれ。文句も言わず身を引くの? お人よしすぎるよ」
「身を引くっていうより、もう康介には好意はないしこのまま働き続けるのは気まずいから、自分が一番楽な選択をしただけだよ」
こんなふうに冷静に話せるのは、亮一さんのおかげだ。