夜のオトシモノ
『 やっぱり無駄足でしたよね。 』
隅から隅までみたけど落ちてるのは空き缶ばかり。
ゴミはちゃんとゴミ箱に捨てなさいな。
なんて水色の大きな箱へと空き缶を投げ捨てる
カランッと缶と缶がぶつかる音がなる
『 ど〜こに落ちてんのかねぇ〜 』
星空なんて見えないくすんだ空に
小さく響く私の声
「 君が欲しいものってコレ? 」
『 へ? 』
見覚えのある手帳と共に聞き覚えのない声
振り返っても見えるのは真っ暗な闇
雑居ビルの間建物の影で何も見えない奥から
コツンコツンと足音だけが響く
目を凝らし薄らと見えるのはシルエットそれだけ
「 この高校有名だよね。
曙光高等学校 1-C 影谷 小夜 さん。 」