夜のオトシモノ



そんなことがあって私は
あの日以来1時前にはこの街から出るようにしてる

それが功を奏してるのかは分からないけれど
あの時のあの人とは顔も合わすことなく
なにかに怯える恐怖もなく過ごしている

ただ一つを除いては...。



「 小夜まだ見つかんねぇのか? 」

『 もう、諦めて先生に頼もうかと思ってる 』

「 その方がはえーわなぁ? 」



そう、あの日生徒手帳をなくした。
鞄に入れてたはずの記憶をたどって
何度も鞄の中を探してみたけど、出てくることは無かった


あの場所を探してみたけど無駄足で
キャッチのお兄さんたちも探してくれたけど
見つかることは無かった。


だからもう諦めよう。
探すのも疲れるし3日後には荷物検査だし
素直に無くしたことを認めて再発行してもらおう。

自分で納得する理由を作る。


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