夜のオトシモノ





意地になっても仕方ない。
そう諦める癖がついたのはいつからだろう?


過ぎ行く人達は今日もお酒の匂いを漂わせ
ライトの光るお店へと入っていく
何も変わらない風景が目の前に広がる



「 店忙しくなってきたから顔出してくるわ
ごめんな最後まで付き合えなくて 」

『 こっちこそ仕事中にごめんね 』



インカムから微かに聞こえる声に
返事をして去っていくお兄さん達の後ろ姿

虚無感

あぁ、私は今1人なんだ。そう感じる


どうせ見つからないし。
取り敢えず最後にあの場所見てから諦めよう

無駄足になるのは分かってるのに
恐怖を少しでも感じた場所に足を進めるのは
なんでだろう。





< 9 / 20 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop