極甘恋愛短編集
☆☆☆

次の投稿日、いつものように教室に入るとみんなからの視線を感じて一瞬たじろいだ。


気のせいかこちらを見てヒソヒソと噂話をされているような気がする。


首をかしげながら自分の席へ向かうと、すぐに佑美がかけつけてきた。


「美咲、ちょっとまずいことになってるよ」


小声で言われて「え？」と更に首をかしげる。


まずいことってなんだろう？


私、なにか失敗したっけ？


思い返してみてもなにも思い当たることはない。


そもそも大きな失敗なんて学校生活ではなかなかしないものだ。


それでも佑美の真剣な表情を見ていると不安になってきた。


「私掃除当番を忘れてた？」


思いつくのはそれくらいのことだった。


自分の順番だったのにそのまま帰ってしまっていたとしたら、みんなから怒られても仕方ないことだと思った。


だけど佑美は大きく左右に首をふる。


「そういうんじゃないの。美咲、休みの日に氷王子と会ってたって本当？」


そう質問されて一瞬固まってしまった。
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