極甘恋愛短編集
過去
その日の放課後佑美とふたりで昇降口へ向かっていた。
「大事にならなくて本当によかったよ」
「ごめんね心配かけちゃって」
申し訳なくて頭をかく。
まさか子猫に餌をやっているところを誰かに見られているとは思ってもいなかった。
だけど私も西原くんも悪いことはしていない。
そもそも、そういう関係になったわけでもないから、責められる筋合いもない。
そう思った瞬間胸の奥がチクリと傷んだ。
思わず立ち止まって顔をしかめると佑美が「どこか痛いの?」と、心配してきてくれた。
「ううん。大丈夫」
その痛みはまだ続いていたけれど、どうにか笑顔を浮かべてまた歩き出す。
校内からは吹奏楽部のにぎやかな演奏が聞こえてきていた。
その音楽は最近流行りの恋愛ソングでつい口ずさんでしまう。
そのときに思い出すのは西原くんの顔だ。
「大事にならなくて本当によかったよ」
「ごめんね心配かけちゃって」
申し訳なくて頭をかく。
まさか子猫に餌をやっているところを誰かに見られているとは思ってもいなかった。
だけど私も西原くんも悪いことはしていない。
そもそも、そういう関係になったわけでもないから、責められる筋合いもない。
そう思った瞬間胸の奥がチクリと傷んだ。
思わず立ち止まって顔をしかめると佑美が「どこか痛いの?」と、心配してきてくれた。
「ううん。大丈夫」
その痛みはまだ続いていたけれど、どうにか笑顔を浮かべてまた歩き出す。
校内からは吹奏楽部のにぎやかな演奏が聞こえてきていた。
その音楽は最近流行りの恋愛ソングでつい口ずさんでしまう。
そのときに思い出すのは西原くんの顔だ。