極甘恋愛短編集
年下男子の場合
突然の電話
その電話は夕飯を終えてのんびりとリビングでテレビをみているときにかかってきた。
母親のスマホはリビングのテーブルの上に置かれたままになっていて、リビングの入り口に置かれている固定電話が鳴り響いた。
今どき固定電話がなることなんてめったに無いことだからその音に少し驚いて視線をむける。
母親はさっそく「なにかの勧誘かしら」と、嫌な顔をして電話へ近づいていく。
母親はお店でカードを作るときなどには固定電話の番号を記入しているみたいなので、そこにかかってくる電話はほとんどがお店や保険会社からのものだった。
時々どこからこの番号を手に入れたんだろうと不思議になる珍しい会社からの電話があったりもする。
きっと、どこからか情報が漏れているのだ。
だからこそ、安易にスマホ番号は記入しないのだと、母親は自慢そうに言っていた。
そんな母親が怪訝そうな顔のまま受話器を取って話し始めたとき、最初は不審そうにしていたが相手の名前を聞いた瞬間その表情がゆるんだ。
「どうしたの、家の電話にかけてきたりして」
そんな声が聞こえてきて少しホッとする。
どうやら相手にはスマホ番号も教えている関係のようで、わけあって自宅に連絡してきただけみたいだ。
母親の顔はさっきから穏やかで声は明るい。
きっと友達からの電話だったんだろう。
変な勧誘電話などではなかったことに安心して、私は再び視線をテレビへ映したのだった。
母親のスマホはリビングのテーブルの上に置かれたままになっていて、リビングの入り口に置かれている固定電話が鳴り響いた。
今どき固定電話がなることなんてめったに無いことだからその音に少し驚いて視線をむける。
母親はさっそく「なにかの勧誘かしら」と、嫌な顔をして電話へ近づいていく。
母親はお店でカードを作るときなどには固定電話の番号を記入しているみたいなので、そこにかかってくる電話はほとんどがお店や保険会社からのものだった。
時々どこからこの番号を手に入れたんだろうと不思議になる珍しい会社からの電話があったりもする。
きっと、どこからか情報が漏れているのだ。
だからこそ、安易にスマホ番号は記入しないのだと、母親は自慢そうに言っていた。
そんな母親が怪訝そうな顔のまま受話器を取って話し始めたとき、最初は不審そうにしていたが相手の名前を聞いた瞬間その表情がゆるんだ。
「どうしたの、家の電話にかけてきたりして」
そんな声が聞こえてきて少しホッとする。
どうやら相手にはスマホ番号も教えている関係のようで、わけあって自宅に連絡してきただけみたいだ。
母親の顔はさっきから穏やかで声は明るい。
きっと友達からの電話だったんだろう。
変な勧誘電話などではなかったことに安心して、私は再び視線をテレビへ映したのだった。