極甘恋愛短編集
☆☆☆
母親と電話の相手がおしゃべりをしていたのは10分程度のことだった。
それでも盛り上がって終始笑い声が聞こえてきていた。
「じゃあ、また連絡してね」
と言って受話器を置いた母親はご機嫌そうだ。
「電話、誰からだったの?」
ソファへ戻ってきた母親にそう質問すると仲のいい友達からだったと教えてくれた。
家の電話にかけてきたのはスマホを壊してしまい、今修理に出しているからだそうだ。
「代わりのスマホを貸してくれるはずだよ?」
「それが、同じ機種がなくて違う機種を借りているらしくて、覚えるのに時間がかかってるんですって」
それでも電話くらいできるはずなのにねぇと、母親はおかしそうに笑った。
「それで、友達はなんだって?」
ひとしきり笑った後にふと思い出したようにこちらへ視線を向ける。
「そうそう。明日香に頼みたいことがあるのよ」
「私に?」
私は自分を指差して聞き返す。
母親の友達が私に頼みがあるということだろうか?
でもそれってどんな頼み?
パチパチと瞬きをしていると母親が電話の内容を明らかにしてくれた。
母親の友人、京野さんは、母親と同じ大学を卒業している。
母親と電話の相手がおしゃべりをしていたのは10分程度のことだった。
それでも盛り上がって終始笑い声が聞こえてきていた。
「じゃあ、また連絡してね」
と言って受話器を置いた母親はご機嫌そうだ。
「電話、誰からだったの?」
ソファへ戻ってきた母親にそう質問すると仲のいい友達からだったと教えてくれた。
家の電話にかけてきたのはスマホを壊してしまい、今修理に出しているからだそうだ。
「代わりのスマホを貸してくれるはずだよ?」
「それが、同じ機種がなくて違う機種を借りているらしくて、覚えるのに時間がかかってるんですって」
それでも電話くらいできるはずなのにねぇと、母親はおかしそうに笑った。
「それで、友達はなんだって?」
ひとしきり笑った後にふと思い出したようにこちらへ視線を向ける。
「そうそう。明日香に頼みたいことがあるのよ」
「私に?」
私は自分を指差して聞き返す。
母親の友達が私に頼みがあるということだろうか?
でもそれってどんな頼み?
パチパチと瞬きをしていると母親が電話の内容を明らかにしてくれた。
母親の友人、京野さんは、母親と同じ大学を卒業している。