極甘恋愛短編集
☆☆☆

翌日の放課後、私はさっそくスーパーへ立ち寄っていた。


カバンの中には母親が描いてくれた地図が入っている。


一応相手の住所から地図アプリで場所の確認もしてきたから、いくら私が方向音痴と言ってもたどり着くはずだ。


「う~ん、無難にカレーでいいかな」


たくさんの商品が並ぶ陳列棚から食べ慣れているカレールーを手にとってカゴに入れる。


ただ家に行くだけじゃただのお客さんだ。


さっちゃんさんからは気にかけておいてほしいと言われているから、少しくらい役立つことをしなければと思っていた。


例えば夕飯を一緒に作って食べるとか。


学校にいる時間はいいけれど、家に帰ってからずっとひとりぼっちだと考えるとやっぱり寂しい気がする。
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