極甘恋愛短編集
なんて状態ならわかるけれど。


「本当にレンジを使ったことがないの？」


もう１度聞くと、男の子は恥ずかしそうに頬を赤くして頷いた。


呆れてしまいそうになるけれど、使えないものは仕方がない。


「わかった。後で使い方は教えてあげる」


「よかった。ありがとう！」


でも、それじゃ洗濯機や掃除機の使い方も知らないんだろうか？


そんな状態でしばらくひとり暮らしをするということ？


そう考えると途端に目の前にいる子を不安に感じてきた。


さっちゃんさんがわざわざ母親に連絡してきた理由もわかる。


「ところで、家事をした経験は？」


恐る恐るそう尋ねると、男の子は満面の笑みで左右に首をふったのだった。
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