極甘恋愛短編集
恋の味のオムライス
由紀子に恋だと指摘されてからはずっと徹のことを意識してしまい、校内で偶然出会わないかなとか、後輩がグラウンドで授業を受けていたらつい視線が向いてしまったりした。
「本当にみんなこんな気持になるのかな」
恋初心者の私はどうしても信じられなくて、放課後ひとりでスーパーへ向かう途中にポツリとつぶやく。
恋をするとその人のことで頭がいっぱいになるとか、胸がギュッと苦しくなるとか、知識として知っていても実際に経験するの
とは大違いだ。
「どんな気持ち?」
不意に後ろから声をかけられて振り向くとそこには徹が立っていた。
いつの間にそこにいたの!?
驚いて後ずさりをし、さっきの呟きが聞かれていたことに気がついて顔がカッと熱くなる。
「明日香ちゃん、顔が真っ赤だけどどうしたの?」
小首をかしげて聞いてくるその仕草はまるで小型犬みたい。
心臓がドキドキしはじめるのを必死でなだめて「別に、ただの独り言だから」と、再び歩き出す。
しかし今度は右手と右足が一緒に前に出てしまい、ぎこちない歩き方になってしまった。
それを見た徹は楽しそうに笑って私のマネをし始める。
私がわざと下手な歩き方をしたと思っているみたいだ。
「本当にみんなこんな気持になるのかな」
恋初心者の私はどうしても信じられなくて、放課後ひとりでスーパーへ向かう途中にポツリとつぶやく。
恋をするとその人のことで頭がいっぱいになるとか、胸がギュッと苦しくなるとか、知識として知っていても実際に経験するの
とは大違いだ。
「どんな気持ち?」
不意に後ろから声をかけられて振り向くとそこには徹が立っていた。
いつの間にそこにいたの!?
驚いて後ずさりをし、さっきの呟きが聞かれていたことに気がついて顔がカッと熱くなる。
「明日香ちゃん、顔が真っ赤だけどどうしたの?」
小首をかしげて聞いてくるその仕草はまるで小型犬みたい。
心臓がドキドキしはじめるのを必死でなだめて「別に、ただの独り言だから」と、再び歩き出す。
しかし今度は右手と右足が一緒に前に出てしまい、ぎこちない歩き方になってしまった。
それを見た徹は楽しそうに笑って私のマネをし始める。
私がわざと下手な歩き方をしたと思っているみたいだ。