極甘恋愛短編集
そして大袋のポテトチップスを手に取った。


「そんなに大きいのを食べるの?」


「ひとりじゃないよ? ふたりで食べるんだ」


そう答えながらカゴに大きなポテトチップスを入れる。


しかし私の頭の中にはさっきの徹の言葉が幾重にも重なり合って、繰り返し流れていた。


ふたりで……。


それって誰と?


母親はいないから違うよね?


友達を呼んでいるの?


それとも……。


まだ見たことのな女の子の影がチラついて、慌てて左右に首をふって想像をかき消した。


徹に彼女がいるとは限らない。


だって、彼女がいるのなら、私なんかじゃなくその子に料理を頼むはずだ。


家に来てほしいと徹なら可愛くお願いすることができそうだし。


それと同時に徹に彼女がいないとは言い切れないことにも気がついた。


出会ってまだ2日目だし、お互いにそういう話しをしたことはない。


もしも彼女がいて、でも家が遠いから呼べないとかだったら?
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