極甘恋愛短編集
☆☆☆
「なにあれ、信じられないんだけど!」
電車に乗ってからも佑美の怒りは止まらなかった。
田中さんがあんな振られ方をしたのは、さすがに私でもどうかと思う。
断るにしても言い方や態度がある。
氷王子というあだ名は西原くんにふさわしいものなのだと、改めて実感した。
「田中さん、ひとりで大丈夫だったかな?」
あの後、結局私達は田中さんに声をかけることができないまま、帰ってきてしまっていた。
振られたところを目撃されていたなんて嫌だろうし、今はひとりにしてあげることにんなったのだ。
だけど、今更ながら気になってきた。
「たぶん大丈夫。あの子はそんなに弱い子じゃないから」
田中さんとは長い付き合いなのか、佑美は何度も頷いてそう教えてくれた。
「そっか。それならいいんだけど」
「うん。きっと、思いっきり泣いてそれでスッキリすると思う」
けれどこのときの佑美の考えは違う意味で裏切られることになる。
翌日学校へ向かうと、田中さんが氷王子に振られたことが話題になっていたのだ。
あの場面を目撃した生徒が他にもいたのかもしれないと思ったが、噂の出どころは田中さん本人らしい。
「振られたことをみんなに話して回ってるってこと?」
「なにあれ、信じられないんだけど!」
電車に乗ってからも佑美の怒りは止まらなかった。
田中さんがあんな振られ方をしたのは、さすがに私でもどうかと思う。
断るにしても言い方や態度がある。
氷王子というあだ名は西原くんにふさわしいものなのだと、改めて実感した。
「田中さん、ひとりで大丈夫だったかな?」
あの後、結局私達は田中さんに声をかけることができないまま、帰ってきてしまっていた。
振られたところを目撃されていたなんて嫌だろうし、今はひとりにしてあげることにんなったのだ。
だけど、今更ながら気になってきた。
「たぶん大丈夫。あの子はそんなに弱い子じゃないから」
田中さんとは長い付き合いなのか、佑美は何度も頷いてそう教えてくれた。
「そっか。それならいいんだけど」
「うん。きっと、思いっきり泣いてそれでスッキリすると思う」
けれどこのときの佑美の考えは違う意味で裏切られることになる。
翌日学校へ向かうと、田中さんが氷王子に振られたことが話題になっていたのだ。
あの場面を目撃した生徒が他にもいたのかもしれないと思ったが、噂の出どころは田中さん本人らしい。
「振られたことをみんなに話して回ってるってこと?」