囚われのシンデレラ【完結】

prologue



――ふと考えることがある。
人と人との縁とは、何なのだろうと。


この世に生まれて、人はたくさんの人に出会う。そして、それ以上に多くの人と、日常の中で言葉を交わすこともなくすれ違っている。

それでさえ、地球上に存在する人の数から見ればほんの僅かなもの。

その中で、誰かに巡り合い恋に落ち、想いが通じ合う――それは、本当に奇跡だ。


数多いる人の中からただ一人、あなたと出会ったことは、生まれた時から決まっていた運命なのだろうか。

あの日、互いに違う世界を生きていた私たちが偶然出会ったことに、何か意味があるのだとしたら。

どうか、教えて欲しい。

今はまだ、先の見えない暗いトンネルを手探りでもがくように進んでいても、いつか知ることが出来るだろうか。


私があなたを愛する意味が、少しでいい、どこかに転がっていますように――。


そう願いながら、今日も触れることのできない背中を見つめる。




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