1000年後の約束をしよう
話し終わると同時に、香穂の潤んだ瞳から涙が溢れ出していく。真奈が香穂を抱き締めていた。
「私だって、香穂の優しさにずっと救われてきたよ。おばあちゃんになっても忘れたくない!」
「真奈〜!」
香穂の目からどんどん涙が溢れていく。気が付けば、旬と新は香穂の頭を小さな子どもを慰めるかのように撫でていた。
「香穂は、俺たちが怪我をしたらすぐに気付いて手当てしてくれたよな。ありがとう」と旬。
「悲しいことや辛いことがあった時、話を聞いてくれたよな。俺たちも救われてたよ。ありがとう、香穂」と新。
香穂は何度も「ありがとう」と言いながら泣き続ける。その時、ポトリとまた一人の線香花火が静かに落ちていく。
「私だね!」
真奈はそう言い、目を細めながら話し始めた。