1000年後の約束をしよう
奥田新
俺さ、高校に入るまでこんなにも学校が楽しいって思ったことがなかったんだ。

小学生の頃、音楽の授業の時に歌のテストがあった。その時に、クラスメートや友達から「音痴」って笑われてから揶揄われるようになって、それから人と関わることも、歌うことも、何もかもが怖かったし、学校に行くことが苦痛に思うこともあった。

だけど、高校に入ってすぐに旬が提案したカラオケでの親睦会で、旬と真奈と香穂は「一緒に歌おう」って言ってくれただろ?他のクラスメートは「歌ったら?」って言うだけだったけど、「一緒に」って言ってくれたことがしょうもないことかもしれないけど、すごく嬉しかったんだ。

お前らを例えるなら、光そのものだと思う。どんな真っ黒に染まった心にも光を灯してくれる。寄り添ってくれる。そんな存在だ。

友達なんてさ、正直いらなくてもいいって思っていた。だけど、希望をくれたお前らには十年経っても二十年経っても会いたいし、語り合いたいって思ってる。

俺に希望をくれて、ありがとう。
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