ここは君が夢みた、ふたりだけの世界。
それはつっぱるような、足にあるバネが伸びきったまま曲がらなくなる感覚。
そのまま俺の身体は人のいない住宅街にて転倒した。
『……うごけ…、なんで転けてんだよ…、』
なんで、なんでなんで、なんで俺なの。
俺が何かした?
こんな運命を受けるべき存在は、世の中に山ほどいるはずだ。
罪を犯した人間の大半は刑務所で定められた期間を過ごせば、またそれなりに生きることができるなんて。
そんなのおかしいだろ。
そいつらに受けさせればいい、そいつらに背負わせればいい。
『…ふざけ…んな……、っ…、ふざけんなよ…っ!!』
ぎゅっと握りしめたこぶしで地面を叩くと、じんじん痛みを感じる。
俺はいつか、こんなことすらできなくなるんだ。
いずれ自分の身体を思うように動かせないときが訪れて、最終的にはベッドで寝たきりだと。
自分の排泄さえも自分でできなくなる。
そんなの……死んだほうがマシだ。
『ねぇお兄さん何してるの?ひとり?良かったら遊ばない?』
『……遊ぶ、って?』
『ウチすぐそこだから良かったら来ない?ちょうどコンビニ行こうと思っててさ、
そしたらめちゃくちゃ格好いい子がいるから声かけてみちゃった!』