ここは君が夢みた、ふたりだけの世界。
そして余計な奴まで連れてきた。
なんで北條くんまでいるの、
部活はどうしたの。
というか北條くんにはしばらく会いたくないのに。
「……ふられた」
「「え。」」
「振られた。別れた」
しーんと、静まった。
だからこんな顔なの。
なにもなくてここまでひどい顔になっていたら、それこそホラーだ。
「まじ?図星かよ?ぎゃははっ!!最高だな!やったな青石!!」
「ちょっと黙んなさいよ北條!!あんた空気読めないの!?」
「だってこれが青石じゃねーか!逆に空気読んでんだよ俺は」
「どこがよっ!!」
しゃがんだ人影にペシペシと頭を叩かれる。
着崩された学ランさえも私を笑ってきているように感じてならない。
「ははっ、おかえり青石。振られ人生が戻ってきたな?」
そうだね、すごく懐かしい感じがするよ。
これで7回目、ラッキーセブンなんか無かったの。
ちょっと長かっただけで、付き合えただけで、結局はこんなオチ。
「おい青石。おかえりっつってんだよ俺は。そう言われたらなんて返すんだっけ?」
「た、ただ、いま……?」
「ん、おかえり」
「ちょっと!李衣も素直に返す必要ないって!!北條はもう喋んなってのっ!!」