ここは君が夢みた、ふたりだけの世界。




「……王様、ゲーム、」


「ん?」


「今まで出した候補を王様ゲーム的なくじ引き形式で決めるのとか…いいと思います。俺もとくに何になってもいいんで」



まさかすぎる。

王様ゲーム知ってたの?と、優しく問いかけてしまいたいくらいだ。

あの浅倉くんが、そんな提案をするなんて……。


やっぱり、やっぱり……、



「かわいいっ!!!」


「おい青石、いきなりびっくりすんだろ。
ったく、なにがかわいいんだ?お前またスマホいじくってたろ?」


「えっ、いやっ、」



スマホなんかいじってない、居眠りもしないで私は真面目に6限に参加してる。

だから彼を見て咄嗟に出ていた言葉だ。



「いーからとりあえず座れ」


「あっ、すみませんっ!でも私もそれっ、すごくいい案だと思います…!」



7個も候補が出たし、みんなどれになってもいい空気感があるから。

それならクラスメイトたちも文句はないだろう。


せっかく彼が勇気を出して提案したのだから、それを無下にするわけにはいかない。



「俺も早く帰りてぇからさんせーい!」


「あたしも~」


「オレもオレもっ!んじゃあ運に自信あるやつ、誰かいるかー?」



< 15 / 364 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop