ここは君が夢みた、ふたりだけの世界。
「……王様、ゲーム、」
「ん?」
「今まで出した候補を王様ゲーム的なくじ引き形式で決めるのとか…いいと思います。俺もとくに何になってもいいんで」
まさかすぎる。
王様ゲーム知ってたの?と、優しく問いかけてしまいたいくらいだ。
あの浅倉くんが、そんな提案をするなんて……。
やっぱり、やっぱり……、
「かわいいっ!!!」
「おい青石、いきなりびっくりすんだろ。
ったく、なにがかわいいんだ?お前またスマホいじくってたろ?」
「えっ、いやっ、」
スマホなんかいじってない、居眠りもしないで私は真面目に6限に参加してる。
だから彼を見て咄嗟に出ていた言葉だ。
「いーからとりあえず座れ」
「あっ、すみませんっ!でも私もそれっ、すごくいい案だと思います…!」
7個も候補が出たし、みんなどれになってもいい空気感があるから。
それならクラスメイトたちも文句はないだろう。
せっかく彼が勇気を出して提案したのだから、それを無下にするわけにはいかない。
「俺も早く帰りてぇからさんせーい!」
「あたしも~」
「オレもオレもっ!んじゃあ運に自信あるやつ、誰かいるかー?」