ここは君が夢みた、ふたりだけの世界。




部外者。

確かに部外者だ、他人だ。
付き合ってない今はもっともっと他人だ。


だけど、私にだけなんじゃないの…?


弱さを見せてくれたのは。
少しでも見せようとしてくれたのは。

あんなにも楽しそうで、温かい笑顔を向けてくれたのは。



「私っ、千隼くんにたくさんひどいことを言った…、ひとつひとつ話してくれてたのに……気づいてあげられなかった…っ」


「───李衣」



叔父ではなく医者として、鋭く見つめてきた。


私にとって叔父さんは冷静で物静かで適当で、だけど面倒見がいい人。

今までそんな姪目線で見ていたから、彼が医者という大きな印象はあまり無かった。



「…隠したんだ」


「え…?」


「彼は、お前のことを最初から知っていたはずなのに俺に隠した」



なんの、いつの話をしているんだろう。



「浅倉くんがそこにどんな気持ちを乗せていたかは俺にも分からない。だが、軽い気持ちで関わるのはやめなさい」


「っ…、」


「優しさというのは相手だけじゃなく、…時に自分を傷つけてしまうこともあるんだよ」



叔父としてか、医者としてか。

どちらの目線から伝えられた言葉なのか、わからなかった。



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