ここは君が夢みた、ふたりだけの世界。
「きれいな病気なんか…、あるわけない…っ」
それだけじゃない。
MFICU、NICU、GCU、聞いたことがなければ読めもしないアルファベットが並ぶ階だって。
そこは新生児を取り扱う集中治療室だという。
難病を患った子供たちがいる、小児科病棟だってある。
「ふざけんな……っ!!」
どうして障害を患ってしまった人たちだけが命と一生懸命に向き合って、健全な身体で生きている人たちはそんなにも軽く見るの。
丈夫に生きられているからこそ、毎日を感謝して生きるべきじゃないの…?
抗がん剤を打って、髪が抜け落ちてしまった人。
今にも折れてしまいそうなくらいの、枝のような足や腕でリハビリをする人。
生命を維持するための大きな機械ごと移動する車椅子。
わかる?
生きるために、たとえ1%の希望だとしても信じるために、逆に彼らは苦しい思いをするんだよ。
「綺麗な病気があるなら…みんなそれ選んでるよ…っ!でもっ、そうじゃないから…、
そうじゃないから誰を責めることもできないで受け入れるしかないんじゃん…っ!!」
患ってしまった本人、支える医者や家族。
共通するものは、なみだ、涙、なみだ、涙。