ここは君が夢みた、ふたりだけの世界。
《おーっとめちゃくちゃ速いぞ2番と4番!!だがお前らだけで競ってどーする!!》
放送席からの実況は、ゼッケン2番の北條くんと4番の千隼くんのことを言っていた。
スターターピストルが上がって間もなく2人が注目を浴びてしまったのは。
他の4人を置いて、奴らはまるでお互い同士で競い合っていたからだ。
《どうしたこれは押し合いか!?どちらかを蹴落とそうとしてるのか…!?》
まずはトラック1周分、つまりは200メートルを走る。
それから用意されているくじを引いて、そこに記入されている人間を探してもう1周するというもの。
にしても実況のとおり……なんかすごい戦いが始まってる気がする。
《やめるんだ2番と4番のイケメンたち…!!君たちは同じクラスだろう!!仲良くやろうじゃないかーーッ!!》
かなり放送席が盛り上げていることもあってか、観客である生徒たちには大きな笑い声が広がっていた。
でも私はそれとはまた違った心配がやっぱりあって。
転んじゃったらどうしよう…。
けれど転んだ場合は、今回だけは見守っていてほしいと頼まれていた。