ここは君が夢みた、ふたりだけの世界。
《ここで4番っ!早くもくじ引きゾーンへ到達だーッ!!
ごくわずかな差で2番も到着!うしろ1番、6番、3番、5番と迫っています…!!》
くじが入った箱に手を突っ込んで、1枚引いた千隼くん。
なにが書かれているんだろう?と誰もが気にするなか、目に通し終わると迷わず向かってくる。
─────私がいる場所へ。
「えっ、浅倉先輩こっち向かってきてない!?」
「なにっ、なにが書かれてたの…!?もしかして“気になる後輩”とか!?」
その内容を書いていたのは体育委員である北條くんだ。
……となると、ろくなものじゃない気がするんだけど大丈夫かなあ。
スーパー銭湯だとか玉ねぎだとか、そんなの引いた側はどうすればいいの……。
ドテッッ───!
「えっ、浅倉先輩…!?」
はっと意識を戻した先には、こちらへ向かってくる少し手前で転倒してしまった千隼くんの姿。
「千隼くん……っ!!」
困惑する後輩たちに混ざるようにして飛び出す勢いで立ち上がった私に、1年生は肩をびくつかせる。