ここは君が夢みた、ふたりだけの世界。
どうして目が合うんだろう。
番号は見えていないはずなのに。
言ってしまえばこれが、私たちふたりだけの世界の始まり。
「………へ……?」
ふらっと視界が歪んだ感覚。
震える手、考えよう考えようと思っても定まらない脳内。
「だれっ、おいっ、誰だ7番…!!」
「わ、わわわわたっ、わたっ、……わた、し、」
「「「青石ぃ!?!?」」」
本当に自分が引いた番号は7番なのかと、何度も何度も確かめる。
王様である証拠の星マークは浅倉 千隼が持っていて。
7番は間違いなく私、青石 李衣の手にあった。
「はあ!?まじで!?!?はっ!?ちょっ、青石だぜ浅倉…!!」
「まさかのそっち系の命令かよ…!?つーか浅倉が告るとか予想外すぎんだけど…!!」
「男だったらどうしてたんだよ…!!勝負に出すぎだろお前…!!」
「えっ、ちょっと李衣っ、生きてる!?ラッキーセブン!!本当にあったのよ李衣…!!」
騒ぎを聞きつけた隣クラスからも傍観客。
何事か何事かと、みんなが集まってくる。
「おい浅倉、とりあえず振られ人生の青石ってのは知ってるよな…?今なら血迷ったってことにして特別に変えてもいいぞ命令!」
「変えない」
「ちょっと北條っ!!確かに李衣は6連敗だけどっ、まっすぐで優しくていい子なんだから…!!」
私にとって君は。
“王様”じゃなくて、“王子様”だった───。