ここは君が夢みた、ふたりだけの世界。
……ちょっと待てよ?
思い出すかぎり、振られてガチ泣きしてるものばかりな気が…。
「わわわわ忘れてっ!?それっ、ぜんぶ忘れて…!!」
「ふっ、…やだ」
「……、」
───…笑って、くれた。
初めてだ、どう考えても初めて。
こんなにも優しい顔をするんだ、こんなにも柔らかい目をしているんだ。
「ラッキーセブン、そうじゃないかって信じてたんだ俺」
あのとき、目が合った理由。
浅倉くんは私が7番を引いたことに懸けていたってこと……?
「あのっ、えっと、王様ゲームに期限とかって…、あるのかな…?」
「…たぶん」
「えっ、あるの…!?い、いつ…?」
「…いつだろ。夢が覚めたとき…かな」
「ゆめ…?」
自分でもびっくりしてしまったくらい落ち込んでいる私がいた。
確かに夢みたいだよ、夢みたいすぎて夢なんじゃないかって今も思ってる。
だけど、どこをつねっても痛いんだもん…。
「じゃあ王様の命令は絶対だから…、そのとき私は従わなくちゃいけないね」
返事は無かった。
静かになってしまった空気に、浅倉くんの低すぎない心地いい声。