ここは君が夢みた、ふたりだけの世界。
こわい、怖いの。
わからないけど……すごく怖いんだよ私。
「…ふたりだけ、」
ぽつりと、無意識にもつぶやいてしまっていた。
「静かだね、…すごく」
外の音は聞こえてくるとしても、ここには誰も入ってこなくて。
私たちだけしかいない場所。
「…俺たちだけの世界だ」
時間が、時間が止まればいいのに───…。
私が思っていた言葉を、消えそうな声で浅倉くんが言ってしまった。
「浅倉くん、お休みの日とかって空いてたりする…?」
「…ごめん、わりと忙しくて」
「そ、そっか……、」
まだ1度もデートしてないね。
今の時間もデートかもしれないけれど、学校だけじゃなくて、いろんな景色を浅倉くんと見たい。
浅倉くんが見ている世界を、私も一緒に見てみたい。
「……イルミネーション、」
「え…?」
「俺の家の近くに、季節限定でイルミネーションやってる大きな公園があるんだ。来月あたり…一緒に行ってみる?」
「いいの…?でも…忙しいんじゃ、」
「合わせるよ、そこは。…俺も青石さんとふたりだけで行きたいから」