ここは君が夢みた、ふたりだけの世界。
だからもし超絶イケメンな浅倉くんを見て気に入られてしまったら…。
お姉ちゃんに取られてしまうんじゃないかって恐怖が胸のなかをぐるぐると。
「別にね?あんたが彼氏くんに振られたところで?あたしにはどーだっていいことだし?」
「うっ…、」
「どーせ、人生初彼だから浮かれてる毎日なんでしょ?それが無くなるってのは寂しいだろうな~」
「うう…っ」
「ほらほら、諦めてお姉様に見せなさい愚妹よ」
振られたくない、かわいい服装で行きたい、でもお姉ちゃんに浅倉くんを見せたくない。
だとしても振られてしまったら何もかもが終わってしまう……。
「こ、こちらですお姉様…」
これはもう苦渋(くじゅう)の決断というやつ。
スマートフォンに入った数枚は、文化祭で撮ったもの。
浅倉くん単体の写真もあるし、私と並んだツーショットもある。
「……あんたさあ、何番目?」
「は?」
「だから、何番目の彼女なのよ。本カノなわけないでしょ。となると……13番目くらい?」
「いちばんだよっ!!」