ここは君が夢みた、ふたりだけの世界。
わからない。
どうしてあんなことを言ってきたのかも。
そこにどんな理由があったのかも。
『じゃあもし俺に……足が無くなって、手が無くなったとしても…そう言える?』
『寝たきりになった俺に、同じように言える?』
どう答えるのが正解だったの。
結局、結局なにも言えなかったんだ私は。
それどころか最低な質問返しをして、あんなにも悲しい顔にさせて。
「でも写真の感じ、そんな子には見えなかったよあたし」
「…さっきは13人とか言ってたくせに」
「ルックスだけはね。ただ、あのタイプは友達100人より、自分を理解してくれる1人を欲してるタイプ」
まるでお姉ちゃんの言葉は、「その1人になりなさい」と言っているみたいだった。
「理解なんて……難しいよ、」
浅倉くんの言葉は難しい。
浅倉くんの言葉は、説明が足りなすぎる。
それはあえてそうしてるんじゃないかとも思ってしまうから、どうしたらいいか分からない。
「ねえ李衣。あたしの座右の銘、知ってる?」
すると突然、そんなことを言ってきた。