ここは君が夢みた、ふたりだけの世界。




お姉ちゃんが言うには、そう思った時点で私は浅倉くんに惹かれていたということ。



「とりあえず、あんたは彼女なんでしょ?彼のことをいちばん知ることができるチャンスを渡された存在だってのに、
どうしてそれを無下にしようとしてんのよ」


「……そう、だ、」



クラスメイトのなかでも私がいちばん浅倉くんの近くにいると言っても間違いではない。

彼の涙を見たクラスメイトだって、あのネガティブモードを知っているクラスメイトだって、そんなの私だけのはずだ。



「うんっ、そうだよね!ありがとうお姉ちゃん!…なんかちょっとだけ心が軽くなった気がする」


「…ならいーけど。ちなみにあんた、その浅倉くんとはどういった経緯で付き合ったの?」


「それがねっ、王様ゲームなの!」


「………」


「あっ、そろそろ時間!じゃあ行ってきまーす!」



タイト素材のニットワンピにコートを合わせて、アクセントとしてベレー帽。

バックにブーツまで貸してくれちゃった。

髪もメイクも、お姉ちゃんの腕前が十分に発揮されていて。


待ち合わせた時間は17時ちょっと前。

少しずつイルミネーションが輝いてくる時間帯。



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