ここは君が夢みた、ふたりだけの世界。
高校生になれば自然と彼氏ができるものだと思っていた。
クラスメイトや先輩が誰かしら声をかけてくれて、気づけば発展しているものだと思っていた。
甘かった、甘すぎた、私は高校生活というものをナメすぎていた。
「てかさ、なんでこんな何もない10月の始めに告ってんの」
「えっ、」
「せめて文化祭まで待てばよかったのに。雰囲気も大事じゃない?
今日なんか朝は雨だったし、いまも曇ってるし、告白日和ではないじゃん」
「そんなの決まってる…!7日だからっ!!」
「は?」
思わずガタッと勢いよく席を立ってしまうくらい、ぐっとこぶしを握って堂々と立ち上がってみせる。
そんな私とは反対にきょとん顔をしてくるものだから、本気で心配になった。
「え、もしかして楓花ラッキーセブン知らないの…?7は特別な数字って知らないの…?」
「……ごめん、私が驚いてんのはそこじゃなかったわ」
「じゃあ…どこ…?」
「あんたが未だにそんなの信じてるってとこ」