ここは君が夢みた、ふたりだけの世界。
信じてる、バリバリに信じちゃってる。
むしろ祈ってる。
今日はちょうど10月7日だったから、きっと神様が見てくれているだろうって。
「あっ、まって…!ねえ楓花っ、すごいよ楓花っ!!」
と、あることに気づいてしまった私は友達の肩をガクガク揺らした。
「ちょっ、もうっ、お昼くらいゆっくり食べさせてってば!」
「7人目なの!」
「はい…?7人目…?」
「だーかーらっ!つぎ私が好きになる人はちょうど7人目!!ってことは、その人が運命の王子様に違いないはずっ」
私と楓花の会話をたまたま耳にしたクラスメイトたちは、適当にも興味深く反応してくれる。
「がんばって李衣!」と、なかにはありがたい声援までも。
幼少期から恋というものに憧れを誰よりも持っていて、いつか彼氏ができるならどんな人なんだろうって想像ばかりを膨らませて。
優しいひと?格好いいひと?面白いひと?
考えるだけで自分の未来が楽しみだった。
「李衣はさー、もっと自己分析したほうがいいと思う」
「じこぶんせき?」
「そう。自分がどんな男の子を好きなのか、どんな男の子と合いそうなのか、言っちゃえばタイプってやつよ」