ここは君が夢みた、ふたりだけの世界。




楓花を始めとした女の子たちに囲まれる休み時間。

好奇心もあるのだろうけれど、ほとんどが浅倉 千隼の情報収集といった感じで。



「え?クリスマス?別々だよ?」


「「「え。」」」



期待を膨らませていた女子たちは、私の言葉に笑顔がピシッと固まった。



「は?別々?あんた何してんの李衣!!」


「え、なにって、家族でチキンたべ───」


「んなこと聞いてんじゃねーよ!!浅倉と過ごしてないの!?はあ!?」


「うん、過ごしてない。ですので家族みんなでチキ───」


「だァからッ!んなことどうだっていいっつってんだろーがッ!!」


「あっ、はい…、」



すっごい剣幕だ。

みんな机に乗り出す勢いで目をギロッとさせてる…。



「カップルでクリスマス過ごさないってどうなってんの!?」


「だ、だって一緒にイルミネーション行ったから…」


「「「それを先に言えよぉぉおおおお!!!」」」


「うわぁ…っ!」



今度はぐわんぐわんと揺すられる胸ぐら。

クリスマスの話題はぽーんと飛んでいったように、女子たちの注目は一気にイルミネーションへと。



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